初回の面談は1時間から90分ほどです。この時間で相手が知りたいのはあなたの店の与件で、こちらが知りたいのはこの会社に任せられるかです。
手ぶらで行くと、この1時間は雑談で終わります。相手は与件が分からないので一般論しか話せず、こちらは比べる材料を持ち帰れません。2社目、3社目と会っても、同じことが起きます。
服装や話し方は問題になりません。必要なのは紙8枚ぶんの準備だけです。与件、物件資料、予算、参考画像、優先順位、日程表、聞くこと、記録。
この記事でわかること
- 初回の面談に持っていく8つのものと、そのうち当日そのまま机に出せる形にしておくのはどれか
- 90分の面談がどんな場面で構成されているかと、どの場面でどの準備物を使うか
- 予算の上限を総投資額と内装工事費に分けて伝える方法と、上限を伏せた場合に何が起きるか
- 建設業法が定める見積期間(1日/10日/15日以上)を根拠に、初回の面談から見積書までの日数をどう設計するか
- 面談の前に自分で確かめられる建設業の許可と建築士事務所の登録の調べ方
- 相手について面談で確認できることと、確認できないことの切り分け方と、確認できない項目の担保のしかた
- 複数社を比べるために、当日その場でどんな記録を残すかと、残さないと比較がどう崩れるか
準備なしで行くと、その1時間で何が失われるか
失われるのは時間だけではありません。与件が伝わらないまま出てきたプランは、やり直しの分だけ日程が後ろにずれます。そのあいだも家賃は出ていきます。
| 起きること | なぜ起きるか | 自分で防ぐ方法 |
|---|---|---|
| 相手の会社説明で1時間が終わる | こちらから出す材料がないと、面談の主導権は資料を持っている側に移る。事例紹介は相手にとって最も話しやすい内容でもある | 冒頭5分で「今日はこの紙の内容を見ていただいて、そのうえで4点うかがいたい」と最初に宣言する。紙と質問リストを机に出す |
| 提案の前提が会社ごとに違う | 未定の項目は相手が自分の想定で埋める。想定の置き方は会社ごとに違うため、同じ条件で比べたつもりが比べられない | 未定の欄をつぶさず「未定」と明記した紙を作る。決まっていないことも情報として渡す |
| 後で聞かれて条件が増える | その場で答えられなかった質問がメールで飛んでくる。1往復に2〜3日かかり、その分だけ提案が遅れる | 次章の「聞かれることの一覧」を先に見て、答えを紙に書いておく。分からない項目は「調べて◯日までに返す」と決めておく |
| 見積りの起点が後ろにずれる | 建設業法第20条第3項の見積期間は、条件を提示した日から数える。条件を渡していない面談は起点にならない | 面談当日に条件の紙を渡し、渡した日付を自分の控えに書く。以後の日程をその日から逆算する |
| 予算の話がずれたまま進む | 総投資額と内装工事費を分けずに伝えると、機器代や看板代が入っているかどうかで数百万円の差が出る | 2つの数字を紙の上で分けて書く。どちらの数字を今話しているかを、その都度口に出して確認する |
| その場の印象だけが残る | 記録を取らないと、3社目を回るころには1社目の回答が思い出せなくなる。残るのは担当者の感じの良さだけになる | 質問リストの右側を回答欄にして、その場で書き込む。書き込みながら聞くこと自体を、相手に最初に断っておく |
当日の進み方|90分は何と何でできているか
面談は場面に分かれています。会社の説明、こちらの与件のヒアリング、物件の確認、概算の考え方、進め方と日程、質疑。
初回で決まらないことも決まっています。金額も図面も出ません。そこを期待すると、判断を誤ります。
| 場面(目安の時間) | そこで起きること | こちらが机に出すもの |
|---|---|---|
| 冒頭のあいさつ(5分) | 名刺交換と会社の紹介。ここで相手の説明が長くなると、残り時間が圧迫される | 準備1の与件シートを机に出し、「まずこちらの状況をご覧ください」と主導権を取る |
| 事業の内容を聞かれる(15分) | 業種、想定するお客様の層、客単価、競合との違い。提案の方向を決めるための質問が続く | 準備1の与件シート。数字は口頭ではなく紙の上で指し示す |
| 物件と規模の確認(15分) | 坪数、天井高、スケルトンか居抜きか、契約済みか。設備の現況が判定できるかどうかが分かれ目になる | 準備2の物件資料一式。図面、現況写真、募集図面または賃貸借契約書の写し |
| 予算と資金の確認(10分) | 内装工事にいくらかけられるか、融資の申込がどこまで進んでいるか。支払時期の話にもつながる | 準備3の予算メモ。総投資額と内装工事費を分けた2段の表にしておく |
| デザインの方向(15分) | 目指す雰囲気の確認と、相手の過去事例の提示。言葉だけでは往復が増える場面 | 準備4の参考画像とメモ。「良い」と感じた理由を書いた付箋つきで見せる |
| 優先順位のすり合わせ(10分) | 予算に収まらない可能性が示唆される。ここで削れるものが言えるかどうかで、次の提案の質が変わる | 準備5の「必ず入れたい/削ってよい」の一覧 |
| 日程の確認(10分) | 開店希望日から逆算して、いつまでに何を決めるかの話になる。動かせない日付の有無が焦点 | 準備6の日程表。日付を「◯月◯日」で書いたもの |
| こちらから質問する(10分) | 相手の説明が一通り終わったあと、残り時間で条件面を確認する。時間切れになりやすい場面 | 準備7の質問リスト。冒頭で「最後に4点うかがいます」と予告しておく |
| 次のステップの確認(10分) | 次に何が出てくるのか、いつまでに出るのか、そこまでに費用が発生するのかを決める | 準備8の記録用紙。次回の日付と提出物をその場で書き取る |
| 論点 | 初回で進むところ | 初回では決まらず、自分でやること |
|---|---|---|
| 条件の共有 | 業種、坪数、席数または什器数、希望開店日のすり合わせ | 詳細な仕様は決まらない。渡した紙のコピーを自分の控えとして残し、次社にも同じものを渡す |
| 金額 | 坪あたりの感覚と、総額のおおまかなレンジ | 正式な見積書は出ない。見積書が出る予定日をその場で聞き、日付で控える |
| デザイン | 方向性の確認と、相手の過去事例の提示 | プランやパースは出ない。パース作成が有償か無償かを聞き、有償なら金額と着手の条件を控える |
| 設備 | 電気容量や排気について、確認すべき項目の洗い出し | 可否の判定は出ない。管理会社に問い合わせる項目を紙に書き取り、自分で確認する |
| 工程 | おおよその工期と、逆算の考え方 | 確定した工程表は出ない。着工可能日を左右する条件(ビルの作業時間帯など)を自分で管理会社に確認する |
| 契約・費用 | どこまでが無償で、どこから費用が発生するかの説明 | 契約はしない。無償の範囲を口頭で聞いたら、その場でメモし、後日メールで確認を送る |
準備1〜3|与件・物件資料・予算
与件は1枚にまとめます。業種、想定客単価、席数または什器数、営業時間、希望の開店日。この5つが図面のどこに効くかを表にしました。
物件資料は事前に不動産会社へ請求します。現況写真は8か所。予算は上限と、その根拠まで書いていきます。根拠がないと、相手は上限を上限として扱えません。
| 書く項目 | 図面のどこに効くか | 自分で埋める方法 |
|---|---|---|
| 業種と業態 | 必要な設備、法令上の区分、内装制限の有無、保健所や消防への手続きの種類がここで決まる | 「カフェ」ではなく「昼はランチ、夜はアルコールも出す喫茶」のように、営業の実態が分かる一文で書く |
| 想定する客単価 | 席の広さ、テーブルの寸法、素材のグレード、照明の質感まで、この数字が上限を作る | メニュー案を10品ほど価格つきで書き、平均的な注文の組み合わせを2〜3通り作って平均を出す |
| 席数または什器の数 | 面積の配分、通路幅、避難経路、必要な空調能力の計算根拠になる | 目標の月商を客単価と営業日数で割り、1日に必要な組数を出す。そこから必要な席数を逆算する |
| 営業時間と定休日 | 照明計画、外観の見え方、バックヤードの広さ、スタッフの人数と休憩スペースの要否が変わる | 開店準備と閉店作業の時間も含めて書く。夜間の見え方が重要なら、その旨を一文添える |
| 希望する開店日 | 工期の逆算、着工可能日、材料の手配、検査の日程がすべてこの日付に紐づく | 「◯月ごろ」ではなく「◯月◯日」と書く。動かせるかどうかも併記する |
| 資料の種類 | 入手先と、かかる日数の目安 | 面談の前に自分で確認しておくこと |
|---|---|---|
| 平面図・募集図面 | 不動産会社または管理会社に依頼する。数日かかることがあるため、面談が決まった時点で依頼する | 坪数と平方メートルの両方が書かれているか、間口と奥行の寸法が読めるか、方位が入っているかを見る |
| 現況写真 | 自分で撮影する。内覧の予約を取り直してでも撮る価値がある | 四隅・天井・床・分電盤・メーター・給排水の位置・外観・前面道路の8か所が撮れているかを数える |
| 賃貸借契約書または重要事項説明書 | 契約済みなら手元にある。契約前なら不動産会社に写しを求める | 用途の制限、工事可能な曜日と時間帯、原状回復の範囲、造作の扱いの4項目に付箋を貼る |
| インフラの現況 | 管理会社に問い合わせる。回答に1週間かかることもある | 契約している電気の容量、ガスの引き込みの有無と種類、排気を外部に出せる経路の有無を文書かメールで受け取る |
| 撮る場所 | 写真から読み取れること | 撮るときのコツ |
|---|---|---|
| 区画の四隅 | 柱や梁の出っ張り、壁の仕上げの状態、段差の有無。面積の使いにくさはここに表れる | 各隅から対角線の方向へ1枚ずつ、合計4枚。人が立って全体が入る位置まで下がる |
| 天井と天井裏 | 天井高、梁の位置、ダクトや配管の走り方。天井を開けられるかどうかで工事の幅が変わる | 点検口があれば開けて中を撮る。開けられない場合は、その旨を写真の説明に書く |
| 床 | 下地の状態、既存の仕上げ、排水の勾配、防水の有無。飲食店では床が費用を大きく動かす | 広く撮った1枚と、しゃがんで寄った1枚の両方を撮る。傷や剥がれは接写しておく |
| 分電盤 | 契約容量、ブレーカーの数と容量、増設の余地。厨房機器やサロン機器が入るかの判定に直結する | 扉を開けて、盤の中の銘板の文字が読める距離まで寄る。扉の内側の一覧表も撮る |
| ガスのメーターと配管 | 都市ガスかプロパンか、口径、引き込みの位置。厨房機器の選定と配管工事の量が決まる | メーターの型番と数字が読める距離で撮る。配管が壁のどこから入っているかも1枚 |
| 給排水の位置 | 既存の給水と排水がどこにあるか。厨房やシャンプー台の位置が動かせるかどうかが決まる | 床の点検口や排水口を上から撮る。既存の水栓があれば周辺も含めて撮る |
| 外観とファサード | 看板を出せる位置と大きさ、入口の幅、段差、日当たり。集客の条件がここに出る | 正面と、左右それぞれ10メートルほど離れた位置から撮る。歩行者の目線の高さで撮る |
| 前面道路と周辺 | 搬入の経路、工事車両を停められるか、隣接する店舗の業種と営業時間 | 道路の幅が分かるように撮る。隣と上下階に何が入っているかも記録しておく |
| 書く項目 | 書かないと起きること | 自分で数字を作る方法 |
|---|---|---|
| 総投資額の上限 | 機器や看板を含めた全体像が共有されず、内装以外の費目が後から追加として現れる | 自己資金と借入見込みを足し、そこから運転資金として残す額(家賃の6か月分が目安の一例)を引く |
| 内装工事にかけられる額 | 各社が標準仕様で見積もる。金額差が仕様の差か価格の差か判別できない見積書が並ぶ | 総投資額から、機器・什器・看板・保証金・前払家賃・開業前の人件費を差し引いて残る額を出す |
| 超えたら見送る線 | 上限を超えた提案が出たとき、断る基準が自分の中になく、なし崩しに増額を受け入れてしまう | 上限のほかに「この額を超えるなら、この物件は見送る」という金額を1つ決めて紙に書く |
| 資金の出どころと時期 | 支払時期の設計ができない。着工金を払う時点で融資が実行されておらず、資金が回らないことがある | 自己資金の額、融資の申込先と申込日、実行予定時期を日付で書く。補助金を申請するなら交付決定の見込み時期も書く |
| 段階 | 計算 | 自分の店に置き換えるとき |
|---|---|---|
| 1|投資額を月に割る | 600万円 ÷ 60か月(5年)= 月10万円 | 回収年数は自分で決める。賃貸借契約の期間より長い年数を置かない |
| 2|粗利から売上に戻す | 月10万円 ÷ 粗利率60% = 月約16万7,000円の売上 | 粗利率は原価率から出す。飲食なら原価率30%台、物販なら業態により大きく変わる |
| 3|1日あたりに割る | 月16万7,000円 ÷ 25日 = 1日約6,700円 | 営業日数は自分の定休日から数える。月の営業日数を先に確定させる |
| 4|人数に翻訳する | 1日6,700円 ÷ 客単価1,200円 = 1日約6人 | 客単価は準備1の与件シートの数字を使う。同じ数字を使い回すことで話がぶれない |
| 5|増額の提案に当てる | 追加50万円の提案 = 上と同じ計算で1日約0.5人分 | 提案を受けたその場で「これは1日何人分か」を計算する。電卓をひとつ持っていくとよい |
準備4〜6|参考画像・優先順位・日程表
参考画像は集めるだけでは伝わりません。「どこが良いか」を1行添えます。「おしゃれ」ではなく「この木の色と、この照明の低さ」と書く。そこまで書くと、設計者は要素を抜き出せます。
優先順位は、工事のときにしか入れられないものから決めます。配管、電気容量、下地。あとから足せるものは後回しで構いません。
日程表には、動かせない日付を先に入れます。見積期間は建設業法施行令で日数が決まっているので、そこも織り込んでおきます。
| 曖昧な言い方 | 具体に置き換えた書き方 | そこから設計者が抽出できるもの |
|---|---|---|
| おしゃれ | 「照明が低い位置にあって、テーブルの上だけ明るいところ」 | 照明器具の吊り高さ、光の広がり方、全体照度と局部照度の配分 |
| 落ち着く | 「隣の席との間に背もたれ以上の高さの仕切りがあるところ」 | 仕切りの高さと素材、席の配置間隔、視線の抜け方 |
| 木のぬくもり | 「床は濃い茶色で、テーブルの天板は白っぽい木。色を分けているところ」 | 樹種と着色の方向、床と家具のコントラスト、素材の使い分けの考え方 |
| 広く見える | 「奥の壁が鏡で、天井の配管が見えたまま黒く塗ってあるところ」 | 鏡の使い方、天井を仕上げるか現しにするか、高さの見せ方 |
| 入りやすい | 「外から中の様子が半分だけ見えて、全部は見えないところ」 | 開口部の大きさ、ガラスの高さ、サインと目線の関係 |
| 清潔感がある | 「床と壁の境目に隙間がなく、掃除しやすそうな形になっているところ」 | 幅木の納まり、水回りの防水と清掃性、素材の選定基準 |
| これは違う | 「天井が高すぎて声が響きそうなところ」「照明が明るすぎるところ」 | 避けるべき方向。音の反射と照度の上限という、数値で扱える条件に翻訳できる |
| 判断の軸 | 見分け方と具体例 | 自分の店で確かめる方法 |
|---|---|---|
| 営業が成立するか | それがないと開店できないもの。保健所や消防の基準に関わる設備、必要な手洗い、換気、避難経路 | 許認可の要件一覧を保健所と消防に確認し、要件に該当する項目に印を付ける。ここは削れない |
| 後から追加できるか | 壁や天井を開けないと入れられないものは工事時に。置くだけのものは後回しにできる | 「これは天井の中を通るか」を項目ごとに相手に聞き、通るものに印を付ける。印の付いたものは削らない |
| 売上に直接つながるか | 席数、動線の速さ、外から見えるかどうかは売上に効く。バックヤードの仕上げは効きにくい | 1日の営業を頭の中で通してたどり、詰まる場所と、お客様の目に入る場所を3つずつ書き出す |
| 項目 | 工事時か、後からか | 判断に迷ったときの確認先 |
|---|---|---|
| コンセントと配線の位置 | 工事時。壁の中を通すため、後から増やすと壁を開けることになる | 使う機器の一覧を作り、機器ごとの消費電力と設置位置を内装会社に渡して本数を出してもらう |
| 給排水の位置 | 工事時。床の中を通り、勾配が必要なため、位置の変更は大がかりになる | 厨房やシャンプー台のレイアウト案を先に固め、変更の可能性がある箇所を相手に伝える |
| 壁の下地補強 | 工事時。棚やモニター、防犯カメラを後から付けるなら、下地だけは先に入れておく | 「1年後に付けるかもしれないもの」を書き出し、その位置に下地を入れる費用を見積もりに含めてもらう |
| 空調の能力と吹き出し位置 | 工事時。能力不足は後から機器を入れ替えることになり、二重の費用がかかる | ピーク時の在店人数と機器の発熱を伝え、必要能力の根拠を数字で示してもらう |
| 照明器具のグレード | 一部は後から交換できる。配線とダクトの位置さえ押さえておけば、器具は後で替えられる | 配線ダクトを入れておくか、器具を確定させるかを相手に確認する。ダクトなら後から自由度が残る |
| 家具・什器 | 置き家具なら後から。造作で作り付けにするなら工事時 | 造作と既製品のどちらにするかを項目ごとに決める。既製品なら型番と価格を自分で調べておく |
| バックヤードの仕上げ | 後から。お客様の目に入らない部分の仕上げは、最も削りやすい | 収納量と作業のしやすさだけを確保し、仕上げのグレードは最低限にする案を出してもらう |
| 看板・サイン | 電源と下地は工事時。面板の意匠は後から替えられることが多い | 看板の位置に電源が来ているかを確認する。意匠の変更が後からできるかを相手に聞く |
| 工事1件の予定価格 | 法令が定める見積期間 | 自分の日程表への織り込み方 |
|---|---|---|
| 500万円に満たない工事 | 1日以上(同条第1項第1号) | 条件を渡した翌日以降を見積書の受領予定日にする。それでも実務上は数日を見込む |
| 500万円以上5,000万円に満たない工事 | 10日以上(同項第2号) | 条件を渡した日から10日を数え、その日以降を受領予定日として日程表に書き込む |
| 5,000万円以上の工事 | 15日以上(同項第3号) | 15日を数えて書き込む。複数社に同日に条件を渡せば、受領日もそろう |
| やむを得ない事情があるとき | 第2号と第3号の期間は、5日以内に限り短縮できる(同項ただし書) | 短縮を求めるなら、その理由を自分で説明できるかを先に確かめる。理由なく短縮を求めない |
| 書く日付 | 動かせるか | 確認先と確認の方法 |
|---|---|---|
| 賃料の発生日 | 動かせない。フリーレントの有無で実質的な期間は変わるが、日付そのものは契約で確定する | 賃貸借契約書または募集条件で確認する。フリーレント期間があれば、その終了日も書く |
| 融資の実行予定日 | ほぼ動かせない。申込から実行までの期間は金融機関側の手続きで決まる | 申込先の窓口に、申込からおおよそ何週間で実行されるかを確認し、日付で控える |
| 開店希望日 | 告知前なら動かせる。告知後は動かせない。この違いは相手に必ず伝える | 広告、SNS、内覧会、求人の掲載日を確認する。告知済みならその媒体名も書く |
| 保健所・消防の検査希望日 | ある程度動かせるが、混み合う時期は希望どおりにならない | 所轄の保健所と消防本部に、申請から検査までの標準的な日数を電話で確認する |
| 見積書の受領予定日 | 動かせるが、短くするほど精度が落ちる。上の表の日数を下回らせない | 条件を渡した日を起点に日数を数え、全社に同じ受領予定日を伝える |
| 発注の判断日 | 動かせる。ただし、ここを曖昧にすると各社の対応の優先度が下がる | 見積書の受領予定日から1週間後を目安に置き、面談の場で相手に伝える |
| 着工可能日 | ビルの条件で決まる部分は動かせない。夜間のみ作業可などの条件は工期と金額の両方を動かす | 管理会社に、作業可能な曜日と時間帯、搬入経路、養生の範囲を書面かメールで確認する |
準備7〜8|聞くことと、記録
聞くことは4つの領域に分けます。工事の範囲、設計料と無償の範囲、工程、保証と引き渡し後。答えを聞いたあと、自分が何をするかまで表にしました。
記録がないと、2社目・3社目と比べられません。その場で取る形を決めておいてください。
| 聞くこと | なぜ聞くか | 答えを受けて自分がやること |
|---|---|---|
| 「工事の契約相手は御社になりますか」 | 契約の相手方が誰かで、責任の所在と、こちらが確認すべき許可の対象が変わる | 別会社だと答えたら、その会社名を控え、後述の方法で建設業の許可を自分で調べる |
| 「どこまでが御社の工事で、どこからが別途になりますか」 | 電気、給排水、空調、看板、什器、機器の搬入が「別途」になっていると、総額が見えない | 別途になる項目を一覧にし、それぞれ誰が手配するのかを紙に書き取る |
| 「施主が用意する(施主支給の)ものはありますか」 | 施主支給にすると安くなることがあるが、搬入や不具合の責任がこちらに移る | 施主支給の候補を書き出し、それぞれ「誰が搬入し、壊れたら誰が直すか」を確認する |
| 「現地調査はいつ、誰が来ますか」 | 現地を見ずに出た数字は概算にとどまる。調査の日程が次の工程の起点になる | 調査の希望日を2つ用意しておき、その場で候補日を決める。管理会社への連絡も自分で手配する |
| 聞くこと | なぜ聞くか | 答えを受けて自分がやること |
|---|---|---|
| 「どこまでが無償で、どこから費用が発生しますか」 | 初回相談は無償でも、現地調査、平面プラン、パースのどこから有償かは会社ごとに違う | 境目を紙に書き取り、面談後にメールで「この理解で相違ないか」を送って書面に残す |
| 「他社に決めた場合、費用の請求はありますか」 | 工事の受注を前提に無償としている場合、途中で他社に決めると調査費や設計料の請求が発生することがある | 請求がある場合は、金額と発生の条件を確認する。曖昧な回答なら書面で示してもらう |
| 「図面は誰が描き、その方は資格をお持ちですか」 | 設計の担当が社内か社外か、建築士かどうかで、説明義務や書面交付の扱いが変わる | 建築士事務所と設計の契約を結ぶ場合は、後述の重要事項説明が受けられるかを確認する |
| 「見積書は内訳まで出していただけますか」 | 建設業法第20条第1項が努力義務として定める内訳と作業日数の記載が、実際に出てくるかを確かめる | 「一式」が並ぶ見積書しか出ない場合は、金額の大きい上位3項目だけでも数量と単価に割ってもらう |
| 聞くこと | なぜ聞くか | 答えを受けて自分がやること |
|---|---|---|
| 「次に出てくるものは何で、いつ届きますか」 | 次の成果物が図面なのか概算なのか、いつ出るのかが決まらないと、日程表が進まない | 成果物の名称と日付をその場で書き取る。届かなかった場合の連絡方法も決めておく |
| 「この規模・この予算で対応いただけますか」 | 最低受注金額を設けている会社がある。後から判明すると、それまでの時間が無駄になる | 対応が難しいと言われたら、その場で理由を聞く。規模の問題なら、他社を探す時間を早く確保できる |
| 「工事中の窓口はどなたになりますか」 | 営業担当と現場担当が別で、話が伝わらないことがある。窓口が一本化されるかどうかは実務に効く | 担当者の氏名と連絡先を紙でもらう。担当が変わったときの引き継ぎ方法も聞いておく |
| 「開店希望日に間に合わない可能性はどこにありますか」 | できない可能性の話が出るかどうかで、相手が工程のリスクを把握しているかが分かる | 挙がったリスクを一覧にし、それぞれ「誰が、いつまでに」確認するかを決める |
| 聞くこと | なぜ聞くか | 答えを受けて自分がやること |
|---|---|---|
| 「引き渡し後に不具合が出たときは、どこまで対応いただけますか」 | 建設業法第19条第1項第13号は、契約内容に適合しない場合の担保責任について定めをするときはその内容を書面に記載するとしている | 回答を控え、契約書の該当条項と照らし合わせる。期間と対象範囲が書かれているかを確かめる |
| 「設備機器の保証は誰が窓口になりますか」 | 空調や厨房機器はメーカー保証と工事保証が別建てになる。窓口が分かれると対応が遅れる | 機器ごとに保証書の発行元と連絡先を一覧にしてもらう。開店前に受け取る約束をする |
| 「引き渡しのときに、どんな書類をいただけますか」 | 竣工図、機器の取扱説明書、保証書、消防や保健所に出した書類の控えは、後の改装や退去で必要になる | 受け取る書類の一覧を作り、引き渡し日にその場で照合する。電子データでの受領も依頼する |
| 「開店後の定期的な点検はありますか」 | あるかないかで、開店後の運用の手間が変わる。有償か無償かも会社ごとに違う | あるなら頻度と費用を控える。ないなら、自分で点検の予定を年間カレンダーに入れる |
| 記録する項目 | 記録しないと起きること | その場での取り方 |
|---|---|---|
| 渡した資料の一覧と日付 | 会社ごとに渡した条件が違ってしまい、返ってきた提案の差が条件の差なのか実力の差なのか分からなくなる | 渡した紙のコピーに会社名と日付を書き、1つのクリアファイルにまとめる |
| 聞かれたことと、答えた内容 | 次の会社で同じ質問をされたときに答えが変わり、条件がぶれる | 質問リストの余白に、聞かれた内容を追記していく。答えた数字は必ず書き取る |
| 無償の範囲についての回答 | 後から調査費や設計料を請求されたときに、聞いた内容を示せない | 相手の言葉をそのまま書く。要約せず「◯◯までは無料」と言われた形で残す |
| 次に出てくるものと、その日付 | いつ何が届くのかが分からず、待っているうちに日程が押す | 成果物の名称と日付を復唱して確認する。相手が日付を言わない場合は、こちらから提案する |
| 相手からの質問の内容 | 相手が何を確認しようとしたかという、最も比較に効く情報が失われる | 聞かれた質問を、そのまま箇条書きで書き取る。答えられなかった質問には印を付ける |
| その場の印象を一言 | 数日で薄れる。3社目のあとでは1社目の印象がほぼ残らない | 面談の直後、席を立つ前に一行だけ書く。良い点と気になった点を1つずつ |
相手の見極め方|確認できることと、できないこと
面談1回で分かることには限りがあります。分からない項目は、書面で担保するしかありません。
気になった場面があっても、その場で判定にしないでください。確認に変える言い方があります。「なぜですか」ではなく「どういう考え方でそうなりますか」と聞く。
| 項目 | 面談で確認できるか | 確認できない場合、どう担保するか |
|---|---|---|
| 建設業の許可 | できる。面談の前に自分で調べられる。許可番号と業種まで公開されている | —(事前に確認できるため、担保の必要がない。調べた内容を控えに残す) |
| 建築士事務所の登録 | できる。都道府県の名簿で確認できる。設計を伴う依頼なら必ず見る | —(同上。設計の担当者が誰かは面談で聞いて補う) |
| 工事の契約相手と自社施工の範囲 | できる。聞けば答えが返る。答えが曖昧なら、その事実を記録に残す | 回答をメールで確認し、書面に残す。契約書の工事内容の欄と照合する |
| 見積書の内訳をどこまで開くか | できる。方針は聞けば分かる。実物が出るかどうかは後の段階で確かめる | 建設業法第20条第4項に基づき、内訳を記載した見積書を書面で請求する |
| 同業種・同規模の実績 | ある程度できる。事例の坪数、工期、使った材料を聞けば具体性が測れる | 可能なら実際の店舗を自分で見に行く。営業中の店なら、お客様として訪れて確かめられる |
| 施工の品質 | できない。図面と現場は別のものであり、面談では判断材料がない | 契約不適合責任の内容を契約書に書き込む。着工後の確認の方法を先に決めておく |
| 工期を守る力 | できない。過去の実績を聞いても、自分の案件で同じになる保証はない | 工事着手と完成の時期を契約書に日付で書き、遅延した場合の扱いも条項として入れる |
| 問題が起きたときの対応 | できない。問題が起きていない段階では確かめようがない | 紛争の解決方法を契約書に定める。窓口の担当者名と連絡先を書面でもらっておく |
| 相手の質問 | その質問が示していること | こちらが用意しておく答え |
|---|---|---|
| 「使う予定の機器を教えてください」 | 電気容量、ガス、給排水の判定に入ろうとしている。設備の条件を後回しにしていない | 機器の一覧(型番が分かれば型番、なければ種類と台数と想定の消費電力) |
| 「物件はもう契約されましたか」 | 契約前なら止められる、という発想がある。契約後とは助言の内容が変わることを知っている | 契約済みか、申込済みか、検討中かを日付とともに答える |
| 「ピーク時は何人で回しますか」 | 動線とオペレーションを図面に反映しようとしている。席数だけで設計していない | ピークの時間帯、そのときの在席人数、同時に動くスタッフの人数 |
| 「バックヤードには何を置きますか」 | 収納量を先に押さえようとしている。開店後の使い勝手を考えている | 保管する物の種類とおおよその量。冷蔵庫や在庫棚の寸法が分かれば添える |
| 「予算のうち、譲れない部分はどこですか」 | 優先順位で調整する発想がある。減額の相談ができる相手である可能性が高い | 準備5の「必ず入れたい3つ」。その場で紙を出せるようにしておく |
| 「開店日はもう告知されていますか」 | 工程のリスクを把握しようとしている。日付が動かせるかどうかで工程の組み方を変える | 告知の有無、告知済みならその媒体と日付。求人の掲載状況も添える |
| 「他社にも相談されていますか」 | 対応の優先度を判断しようとしている。隠す必要はない、ごく一般的な質問 | 「3社に相談していて、◯月◯日までに決めたい」と正直に答える。日付を添えると相手も動きやすい |
| 気になった場面 | そのままだと | 確認に変える言い方 |
|---|---|---|
| 条件を聞かずに金額が出てきた | 「いいかげんだ」という印象だけが残り、その金額を信じるかどうかの二択になる | 「その金額はどういう前提の数字でしょうか。含まれているものと含まれていないものを教えてください」 |
| できない可能性の話が一切出ない | 「話がうますぎる」と感じるが、根拠がないまま不信だけが残る | 「この物件で、いちばん引っかかりそうなところはどこだとお考えですか」 |
| 質問への答えが曖昧なまま流れた | 聞き直すのが気まずくなり、そのまま次の話題に進んでしまう | 「先ほどの点だけ、あとでメールで整理していただけますか」と、書面に落とす形で頼む |
| その場で契約や着手金を求められた | 断りにくい雰囲気になり、判断が急かされる | 「持ち帰って検討します。何日まで待っていただけますか」と、期限を確認して一度離れる |
| 他社の話ばかりになる | 比較の材料にならない話で時間が消費される | 「うちの案件でしたら、どこから手をつけますか」と、自分の案件に話を戻す |
| 担当者が図面の話に入れない | 「知識がない」と感じるが、営業担当と設計担当が分かれているだけのこともある | 「設計を担当される方とも一度お話しできますか」と、会う相手を増やす提案に変える |
面談が終わった当日にやること
席を立つ前に、良かった点と気になった点を1つずつ書きます。そして当日のうちにメールを送ります。話したことの確認と、次にもらうものの依頼。これがあると、記憶ではなく記録で比べられます。
| メールに書くこと | 書かないと起きること | 具体的な書き方 |
|---|---|---|
| 渡した資料の一覧 | 何を渡したかが記録に残らず、後から追加で渡した情報との区別がつかなくなる | 「本日お渡しした資料は次の5点です」と箇条書きにする。データで渡したものは添付し直す |
| 無償の範囲の確認 | 費用が発生する境目が口頭のままになり、後から請求されたときに示せるものがない | 「◯◯までは費用が発生しないとうかがいました。この理解で相違ないでしょうか」と一文で確認する |
| 次の成果物と日付 | いつ何が届くのか不明のまま日が過ぎ、催促のタイミングも計れない | 「◯月◯日までに平面プランをいただけるとのことでした」と、名称と日付を明記する |
| こちらの宿題と期限 | 相手側の作業が止まっていることに気づかず、日程が押す | 「電気容量と排気の可否は、◯月◯日までに管理会社に確認してご連絡します」と自分の期限も書く |
| 判断の時期 | 相手が対応の優先度を判断できず、後回しにされることがある | 「◯月◯日までに発注先を決める予定です」と1行入れる。社数まで書く必要はない |
当日そのまま使えるチェックリスト
- 与件シート1枚(業種・想定客単価・席数または什器数・営業時間・希望開店日・いちばん心配なこと)
- 平面図または募集図面(坪と平方メートルの両方、間口と奥行が読めるもの)
- 現況写真8か所(四隅・天井・床・分電盤・ガスメーター・給排水・外観・前面道路)
- 賃貸借契約書または重要事項説明書の写し(用途・工事可能時間帯・原状回復・造作の4か所に付箋)
- インフラの現況を管理会社に確認した記録(電気容量・ガスの種類・排気経路)
- 予算メモ(総投資額の上限/内装工事にかけられる額/超えたら見送る線/資金の出どころと時期)
- 参考画像10枚前後+「これは違う」3枚(それぞれに一言メモ)
- 必ず入れたいもの3つ/削ってよいものの一覧
- 日程表(賃料発生日・融資実行予定日・開店希望日・検査希望日・見積受領予定日・発注判断日・着工可能日)
- 質問リスト(工事の範囲4問/設計料と無償の範囲4問/工程4問/保証4問。右側は回答の記入欄)
- 筆記具、電卓、名刺(あれば)、面談後に自分で送るメールの下書き
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よくある質問
ここまでで、準備するもの8つと、当日の進み方、 そして相手について確認できることと確認できないことを整理しました。 最後に、初回の面談を控えた方から実際によく寄せられる質問を4つ取り上げます。 いずれも「どこまで準備すればよいか」「何をどう伝えればよいか」という、 当日の振る舞いに直結する問いです。
条文や統計に根拠のあるものは、その出典も添えます。 逆に、根拠が確かめられなかったものについては、数値を挙げずに考え方だけを書いています。 自分の状況に近い問いから読んでいただければ十分です。
初回相談に持っていくものは、どこまで決まっていないといけませんか?
決まっていない項目があること自体は、まったく問題になりません。 困るのは、決まっていないことが相手に伝わらないまま話が進む状態です。 何も書かれていない欄を見た相手は、そこに自分の想定を置いて図面や概算を作ります。
その想定が会社ごとに違えば、返ってくる提案は比べられなくなります。 ですから、準備する紙には「未定」という欄をはっきり作ってください。 業種と希望開店日だけが決まっていて、席数も予算も未定という状態でも、 その事実を1枚に書いて持っていけば、面談は成立します。
むしろ、未定の項目が多い方ほど、 決めるべきことの一覧を相手から引き出すことが初回の目的になります。 準備8つのうち、初回で最低限そろえたいのは、 自店の与件を書いた1枚と、物件の資料と、予算の上限の3つです。
予算の上限を先に伝えると、その金額いっぱいの見積もりが出てきませんか?
その懸念はよく聞きます。 ただ、上限を伏せた場合に起きることのほうが、実際には厄介です。 上限が分からなければ、各社は自社の標準的な仕様で見積もるしかありません。
結果として、金額の差が仕様の差なのか価格の差なのか判別できない見積書が並びます。 上限を伝えたうえで、金額を守るために何を削ったかを一覧で示してもらうほうが、比較の材料は増えます。 伝え方には工夫の余地があります。
総投資額と内装工事費を分けて伝えること、 上限のほかに「この額までなら出せるが、それを超えるなら見送る」という線も添えること、 そして削ってよいものと必ず入れたいものの一覧を同時に渡すこと。 この3つをそろえて渡せば、 上限額をそのまま埋めた見積書ではなく、優先順位に沿った見積書が返ってきます。
初回の面談で、その場で金額を出してもらうことはできますか?
現地を見ていない段階で出る数字は、根拠を確かめられない概算です。 参考として聞くのは構いませんが、判断の材料にはできません。 時間の目安として、建設業法は注文者の側にも義務を課しています。
第20条第3項は、随意契約なら契約を締結するまでに、 第19条第1項各号(請負代金の額を除く)についてできる限り具体的な内容を提示し、 そのうえで見積りに必要な期間を設けなければならないと定めています。
その期間は建設業法施行令第5条の9で、 工事1件の予定価格が500万円未満なら1日以上、 500万円以上5,000万円未満なら10日以上、 5,000万円以上なら15日以上とされています。 やむを得ない事情があるときでも、10日と15日の期間を短縮できるのは5日以内に限られます。
つまり1,000万円規模の内装工事なら、条件を渡してから10日は相手に渡すのが法の前提です。 初回の面談は、その10日の起点となる条件を渡す日だと考えてください。
相手の力量は、初回の面談で本当に見極められますか?
面談1回で分かることと、分からないことははっきり分かれます。 分かるのは、確かめられる事実のほうです。 建設業の許可は国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、面談の前に自分で調べられます。
建築士事務所の登録は建築士法第23条第1項で都道府県知事の登録を受けなければならないと定められており、 愛知県なら県の名簿で確認できます。 工事の契約相手がどの会社になるか、図面を誰が描くか、 見積書の内訳をどこまで開くか、引き渡し後の窓口は誰かも、その場で聞けば答えが返ってきます。
一方で、施工の品質、工期を守る力、現場の職人の腕、 問題が起きたときの対応は、面談では確認できません。 この2つを混ぜないことが大切です。 確認できない項目については、契約書にどう書くかで担保します。
請負契約の記載事項は建設業法第19条第1項に16の号として並んでいますから、そちらで押さえてください。
まとめ|初回相談で準備する8つのもの
初回の面談は、相手を試す場ではなく、こちらの与件を渡す場です。渡す材料が具体的なほど、返ってくる話も具体的になります。
準備は8つ。どれも1枚の紙で足ります。スーツかどうかより、この8枚があるかどうかで当日が変わります。