店内のサインは、あとから貼れるものと、貼れないものに分かれます。分けているのは 電源とアンカーが要るかどうかです。

お客様が迷う場所は決まっています。入口で入ってよいのか分からない、トイレの場所が 分からない、どこで会計するのか分からない。この3つに、避難口が加わります。

避難口の誘導灯は法令に基づく設備で、掲示物で隠すことはできません。 天井を閉じる前に決めることは6つあります。

この記事でわかること

  • お客様が迷う4か所と、それぞれ決める工程
  • 誘導灯・誘導標識を掲示物で隠せない理由(消防法施行令)
  • 文字の高さを、見る距離からどう決めるか
  • 開店後に増える貼り紙の置き場を先に作る方法
  • 見えにくい方・聞こえにくい方への伝え方
  • サインの発注を工事のどの段階で行うか

外装の看板・屋外広告物条例・発注区分は店舗の看板・外装で確認する7つのことで 扱っています。この記事は店内のサインに絞ります。

店内サインを決める場所と工程を整理した図。入口は外装の発注前、トイレは間仕切りの図面が固まる前、レジ・会計は什器の発注前、避難口の誘導灯は天井を閉じる前に決める。それぞれ出すサインの内容を並べている。
サインは「あとで貼る」ものではありません|電源とアンカーが要るものは、天井や壁を閉じる前に位置を決めます。

決め1|迷うのは4か所。入口・トイレ・レジ・避難口

初めて来たお客様が立ち止まる場所は限られています。入口の扉、トイレを探すとき、 会計をするとき。この3つに、非常時の避難口が加わります。

4か所それぞれで、決める工程が違います。入口は外装の発注前、 トイレは間仕切りの図面が固まる前、レジは什器の発注前、避難口は天井を閉じる前です。

迷う場所と、決める工程
迷う場所出すサイン決める工程
入口営業中の表示、扉の押し引き外装の発注前
トイレ位置と方向、男女の別間仕切りの図面が固まる前
レジ・会計会計の場所と、並ぶ位置什器の発注前
避難口誘導灯・誘導標識天井を閉じる前

決め2|誘導灯と誘導標識は、消せない・隠せない

避難口誘導灯は避難口である旨を示す緑色の灯火、通路誘導灯は避難の方向を示す緑色の 灯火として設けます(消防法施行令第26条)。誘導標識も同じく緑色の標識です。

掲示物やポスターで、これらの前を覆うことはできません。雰囲気を 優先して照明を落とす場合も、誘導灯そのものは消せません。設置の対象と基準は 建物の用途と階によって変わるため、所轄の消防署に確認してください。

誘導灯まわりで確認すること
項目確認すること根拠・確認先
設置の要否自店の用途と階が対象になるか消防法施行令第26条/所轄の消防署
位置什器・掲示物で隠れない位置か什器の配置図と重ねて確認する
電源非常電源が附置されているか消防法施行令第26条第2項

設置の対象・有効範囲・免除の条件は建物の用途と規模によって細かく分かれます。図面が固まる前に、所轄の消防署または消防設備業者に確認してください。

決め3|文字の高さは、見る距離から決める

サインの文字は、どこから見るかで必要な大きさが変わります。レジの上に掲げるメニューと、 手元で読む案内では、まったく違う大きさになります。

図面の上で、そのサインを読む位置に立って距離を測ってください。 机の上でデザインを見て決めると、店内では小さすぎることがよくあります。

文字の大きさの目安を、業種を問わず使える公的な基準としては見つけられませんでした。 そのため具体的な数値は書きません。実寸で印刷して現地に貼り、離れて見る方法が確実です。

決め4|開店後に増える掲示物の置き場を、先に作る

開店してしばらくすると、貼り紙は必ず増えます。休業のお知らせ、支払方法の案内、 アルバイトの募集。置き場を決めていないと、扉やレジの周りに貼られます。

あらかじめ掲示板の位置を1か所決めて、そこ以外には貼らない運用にしてください。 サイズを決めておくと、内装の見た目も崩れにくくなります。

開店後に増えるものと、置き場
増えるもの置く場所を決める工事で必要になること
お知らせの貼り紙掲示板を1か所に決める壁の下地と、留め具の位置
支払方法の案内レジの正面、目の高さ什器側に取り付ける場所を残す
季節の掲示入口の外側か、内側の決めた面屋外に出すなら条例の確認が要る

決め5|見えにくい方・聞こえにくい方にどう伝えるか

呼び出しを声だけで行うと、聞こえにくい方には届きません。番号を表示する画面か、 手元で振動する呼び出し機があると伝わります。

図や絵記号で示すと、文字を読まなくても伝わります。バリアフリーの考え方は 店舗のバリアフリーで決める8つのことで扱っています。

決め6|サインを決める工程を、工事の順番に合わせる

サインの発注が遅れると、開店の直前に紙を貼って済ませることになります。電源が要る ものと、壁に留めるものは、工事の途中でしか仕込めません。

内装の打ち合わせで、サインの一覧を1枚の表にして持っていってください。 どれが電気工事を伴うかが、その場で分かります。

サインの一覧表に書く項目
  • どこに出すか(入口・トイレ・レジ・掲示板・避難口)
  • 何を書くか(文言)
  • どこから見るか(読む位置までの距離)
  • 電源が要るか(内照式・画面表示)
  • 壁や天井への取り付けが要るか
  • 誰が発注するか(内装会社・看板業者・自店)
  • いつまでに決めるか(工程との対応)

よくある質問

誘導灯の位置は動かせますか?

設置の基準は建物の用途と階で決まるため、自由には動かせません。什器や掲示物で隠れない配置にできるかを、図面の段階で所轄の消防署または消防設備業者に確認してください。

文字は何センチにすればよいですか?

業種を問わず使える公的な基準は見つからなかったため、この記事では数値を書いていません。実寸で印刷して現地に貼り、読む位置から見て確かめる方法が確実です。

サインは内装会社と看板業者、どちらに頼みますか?

電源や壁への取り付けが要るものは内装工事に含めたほうが確実です。紙や板を掲げるだけのものは分けても構いません。一覧表を作って発注先を決めてください。

後から貼り紙が増えるのは避けられませんか?

増えること自体は避けられません。掲示板を1か所決めて、そこ以外には貼らない運用にすると、増えても見た目が崩れにくくなります。

小さな店でもサインは必要ですか?

店が小さいほど、トイレとレジの場所は見て分かることが多くなります。それでも入口の営業中の表示と、避難口の表示は必要です。数を絞って残してください。

まとめ|電源が要るサインから決める

店内サインで決める6つのまとめ
決めること判断のもと決める期限
決め1 迷う4か所入口・トイレ・レジ・避難口基本の平面図
決め2 誘導灯消防法施行令第26条/所轄の消防署天井を閉じる前
決め3 文字の高さ読む位置までの距離サインの発注前
決め4 掲示物の置き場開店後に増えるものの想定壁の下地を作る前
決め5 伝え方声以外の手段があるか什器の発注前
決め6 発注の工程電気工事を伴うかどうか実施図面の段階

6つのうち、あとから足せないのが決め2の誘導灯と決め4の下地です。 どちらも壁と天井を閉じたあとでは、開け直す工事になります。

誘導灯の設置基準は建物の用途と規模で細かく分かれます。図面が固まる前に、所轄の 消防署または消防設備業者に確認してください。

名古屋の店舗内装業者を比較する