予約管理システムは、機能の数で選ぶと合わないものが残ります。先に決めるのは 何を管理するかの1行です。
席の予約を管理したいのか、来店した順番を管理したいのか、担当者の指名を管理したいのか。 この3つは必要な機能が違い、料金の考え方も違います。
さらに、レジとの連携・キャンセル料・端末の置き場所は、内装の工事が終わる前に決めて おくほうが安く済みます。導入前に決めることは7つあります。
この記事でわかること
- 何を管理するかを先に決めると、選ぶものが絞れる理由
- 電話・自社サイト・掲載サイトの予約を1か所に集めるかどうか
- レジ(POS)とどこまでつなぐと、何が楽になるか
- キャンセル料を決めるときの考え方(消費者契約法)
- 無断キャンセルを減らす、3つの場面での対策
- 端末・回線・電源の位置を、いつまでに決めるか
レジ・決済・Wi-Fiの配線そのものは店舗の通信と電源で決める7つのことで 扱っています。この記事は予約と順番待ちの運用に絞ります。
決め1|席の予約か、順番待ちか、指名の管理か
席の予約は、日時と人数と席を押さえるものです。順番待ちは、来店した人を並べて呼び出す ものです。指名の管理は、担当者ごとの予定を押さえるものです。
この3つは、同じ「予約」という言葉でも中身が違います。自店がどれを 必要としているかを1行で書いてから、資料を集めてください。
| 管理する対象 | 押さえるもの | 確認する機能 |
|---|---|---|
| 席の予約 | 日時・人数・席 | 席の割り当てと、テーブルの結合ができるか |
| 順番待ち | 来店した順番 | 呼び出しの方法(店頭表示・携帯電話への通知) |
| 指名の管理 | 担当者ごとの予定 | 担当者の休みと、施術時間の違いを扱えるか |
決め2|予約の入り口を1か所に集めるかどうか
予約は電話・自社サイト・掲載サイトから入ります。別々に管理すると、同じ席を二重に 押さえる事故が起きます。1か所に集めるかどうかを最初に決めてください。
集める場合は、掲載サイトとつながるかどうかが選定の条件になります。 つながらないサイトがあるなら、そこだけ手で入れる手順を先に決めます。
決め3|レジ・POSとどこまでつなぐか
レジとつなぐと、予約とその日の会計を結びつけられます。来店の回数や注文の傾向を 後から見返せるようになり、席の配分を決める材料になります。
ただし、連携には追加の費用と設定の手間がかかります。つないで何を見たいのかを 先に書き出し、それが要らないなら連携は後回しでかまいません。
| つなぐ範囲 | できるようになること | 確認すること |
|---|---|---|
| つながない | 予約と会計は別々に記録する | 手で照合する手間が現場に残らないか |
| 会計だけつなぐ | 予約とその日の売上を結びつけられる | 連携の追加費用と、対応するレジの機種 |
| 顧客情報までつなぐ | 来店回数や好みを記録できる | 個人情報の保管場所と、扱う人の範囲 |
お客様の情報を扱う範囲を広げるほど、保管と管理の責任も増えます。誰がどこまで見られるかを、導入時に決めてください。
決め4|キャンセル料をいくらに、いつからにするか
キャンセル料は、決めれば何円でもよいというものではありません。解除に伴って店に 生ずべき平均的な損害の額を超える部分は無効になります(消費者契約法第9条第1項第1号)。
コース料理や貸切のように、事前に仕入れや人員を確定させる予約ほど、額の説明が しやすくなります。いつから何%かを、予約を受ける画面に表示してください。
| 項目 | 整理すること | 根拠・注意 |
|---|---|---|
| 額の考え方 | その予約のために先に使う費用を書き出す | 平均的な損害の額を超える部分は無効(消費者契約法第9条第1項第1号) |
| 起算の時点 | 何日前から、何時から発生させるか | 予約を受ける画面と規約に同じ内容を書く |
| 伝える場所 | 予約完了の画面・確認のメッセージ | 予約後に初めて知らせる形にしない |
具体的な料率の目安を示した公的な基準は見つかりませんでした。そのためこの記事では「何%が妥当か」という数字を書きません。自店の仕入れと人員の実態から組み立ててください。
決め5|無断キャンセルを減らす3つの場面
無断キャンセルへの対策は、予約を受けるとき・前日・当日の3つの場面に分けると 組み立てやすくなります。1つの対策で全部を防ごうとすると、どれも中途半端になります。
当日は「何分待って席を解放するか」を先に決めておいてください。 現場が判断に迷う時間そのものが、次のお客様を待たせる原因になります。
| 場面 | 打つ対策 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 予約を受けるとき | 連絡先の確認と、事前決済の要否 | 決済手数料をどちらが負担するか |
| 前日 | 自動リマインドの送信 | 返信がなかったときにどう扱うか |
| 当日 | 席を解放する時刻を決める | キャンセル料をいつから起算するか |
決め6|端末・回線・電源をどこに置くか
順番待ちの表示や受付の端末は、置く場所によって配線が変わります。入口の近くに置くなら、 天井を閉じる前に電源と配線を通しておく必要があります。
回線が止まったときにどう受け付けるかも決めてください。紙の台帳に戻す手順を一度 決めておくと、当日に慌てずに済みます。配線の考え方は 店舗の通信と電源で決める7つのことで扱っています。
決め7|やめるときに、予約とお客様の情報をどう引き取るか
システムを乗り換えるときに、それまでの予約履歴とお客様の情報を持ち出せるかどうかは 契約によって分かれます。導入前に、書き出しの形式を聞いてください。
持ち出せない場合は、月ごとの集計だけでも自店で記録しておいてください。 入り口ごとの予約件数が残っていれば、乗り換え後も判断の材料になります。
導入の前に、提供会社に聞くこと
- 席の予約・順番待ち・指名のどれに対応しているか
- 利用している掲載サイトとつながるか。つながらないサイトはどれか
- 使っているレジの機種と連携できるか。追加費用はいくらか
- キャンセル料の設定と、予約画面での表示ができるか
- 前日のリマインドを自動で送れるか。送る手段は何か
- 端末は何台まで使えるか。回線が切れたときはどうなるか
- 解約時に予約履歴と顧客情報を書き出せるか。形式は何か
- 最低契約期間と、解約の予告期間は何か月か
よくある質問
小さな店でも予約システムは必要ですか?
席数が少なくても、電話に出られない時間帯が多い店では効果が出ます。まずは「電話に出られず取り逃した件数」を1か月数えてみると、判断の材料になります。
キャンセル料は何%に設定すればよいですか?
公的な基準は見つからなかったため、この記事では料率の目安を書いていません。その予約のために先に使う費用を書き出し、説明できる額にしてください。
事前決済を求めると、予約が減りませんか?
全部の予約に求める必要はありません。貸切やコース料理など、先に仕入れが発生する予約だけに限る運用もできます。対象を絞って始めてください。
レジとの連携は最初からしたほうがよいですか?
つないで何を見たいのかが決まっていないなら、後回しでかまいません。連携には追加費用と設定の手間がかかるため、目的が先です。
順番待ちの呼び出しは、どの方法がよいですか?
店頭の表示だけだと、待っている方が店の前から離れられません。携帯電話への通知に対応していれば、近くで待ってもらえます。店の前の歩道の広さも見て決めてください。
まとめ|機能表より先に、管理する対象を1行で書く
| 決めること | 判断のもと | 決めたあとにすること |
|---|---|---|
| 決め1 管理する対象 | 席・順番・指名のどれか | 1行で書いてから資料を集める |
| 決め2 予約の入り口 | 電話・自社・掲載サイト | 1か所に集めるかを決める |
| 決め3 レジ連携 | つないで何を見たいか | 目的がないなら後回しにする |
| 決め4 キャンセル料 | 先に使う費用(消費者契約法第9条第1項第1号) | 予約画面と規約に同じ内容を書く |
| 決め5 無断キャンセル | 予約時・前日・当日の3場面 | 席を解放する時刻を決める |
| 決め6 端末と電源 | 置く場所と配線の経路 | 天井を閉じる前に位置を決める |
| 決め7 やめるとき | データの書き出しの可否 | 月ごとの集計を自店でも残す |
7つのうち、内装の工事と関わるのは決め6の端末と電源です。ここだけは、 天井や壁を閉じたあとに変えると工事のやり直しになります。
キャンセル料と個人情報の扱いは、法令の改正で考え方が変わることがあります。運用を 始めたあとも、規約の文面は定期的に見直してください。