「10坪です」と言われても、ベッドが何台入るかは分かりません。ベッドの寸法ではなく、施術者が回り込む余白で決まるからです。

ベッド2台のエステで、1枠2時間・稼働率60%・客単価12,000円なら、ベッド1台が生む売上の上限は月72万円。台数を1台間違えると、損失は内装費より大きくなります。

決めることは7つ。法規、施術1台の面積、個室の作り方、においと粉じん、照明、給排水と電気、そして受付。どれも内見のときに測れば分かります。

この記事でわかること

  • まつげエクステ・ネイル・エステで法規上の扱いがどう分かれるかと、物件を契約する前に保健所へ何を持って相談に行けばよいか
  • ベッド幅・テーブル奥行・回り込みの余白という実寸から、施術1台あたりの必要面積を計算する手順と、台数から必要坪数を逆算する方法
  • 間仕切りを腰までにするか天井まで閉じるかで、空調・換気・消防設備に何が起きるかと、内見時に天井裏で確かめること
  • ジェルダスト・アセトン・グルーについて、局所排気と全体換気をどう使い分けるかと、内装会社への具体的な依頼の文言
  • 色が正しく見える照明と、仰向けのお客様がまぶしくない照明を両立させるための配置の決め方
  • 持ち込む機器の一覧から給湯能力と電気容量の必要量を出し、内見の場で足りるかどうかを判断する方法
受付・待合が1.5〜2.0坪、通路が1.2〜1.5坪、器具の洗浄・消毒が0.6〜0.9坪、タオルの洗濯・乾燥が0.5〜0.9坪、在庫・材料の保管が0.5〜0.8坪、スタッフの更衣・休憩が0.5坪前後。
合計すると5.7坪前後になります|10坪の物件なら、施術に使えるのは4坪ほどしか残りません。席数から先に決めると、この6つのどれかが必ず削られます。

自宅サロンから店舗へ移ると、何が変わるか

変わるのは広さだけではありません。法規、設備、そして人の目。自宅では問題にならなかったことが、店舗では条件になります。

自宅サロンから店舗へ移ると変わること
項目 自宅では問題にならなかった理由 物件を契約する前に自分で確認する方法
トイレ 家庭用のものをそのまま使えた。手洗いも兼用できた 内見で便器の位置を確認し、「この位置から動かせますか。排水の勾配は取れますか」と内装会社に聞く
お湯 給湯器が住宅用で足り、同時に使う場所が1か所だった 給湯器の型番を写真に撮り、号数と設置場所を控える。屋外に置き場があるかも一緒に見る
洗濯・乾燥 家の洗濯機で回せた。干す場所も屋外にあった 洗濯乾燥機を置く位置に、給水・排水・アース付きコンセントの3つが揃うかを図面で確認する
電気の容量 機器を使う時間帯が分散し、同時使用が重ならなかった 分電盤の写真を撮り、主幹のアンペア数と空き回路の数を数える。持ち込む機器の一覧と突き合わせる
におい・粉じんの逃げ場 窓を開ければ抜けた。隣の部屋との距離もあった 開けられる窓があるか、外壁まで排気を出せる経路があるかを、天井裏を開けて確認させてもらう
待つ場所 玄関やリビングで待ってもらえた 入口から施術スペースまでの距離を歩測し、待つ方と施術中の方が視線で交差しないかを図面に線を引いて確かめる
在庫と材料 自宅の収納に置けた。量も少なかった いま自宅で材料が占めている面積を実際に測り、店舗ではその1.5倍を確保する前提で図面を見る
ネイル・エステ・まつげエクステのサロン内装で決める7つのポイント
ポイント この段階で決めること 誰に、どう聞くか
ポイント1
法規の区分
扱うメニューを全部書き出し、美容所の届出が必要な施術が混ざっていないかを確定する 所轄の保健所へ。「この一覧のメニューを1つの店舗で行いますが、美容所の開設届は必要ですか。必要な場合、施設の要件は何ですか」
ポイント2
1台あたりの面積
ベッドまたはテーブルの実寸に、施術者が回り込む余白を足して、1台分のブース寸法を出す 自分で。いま使っている什器の幅・奥行を測り、自分が横に立ったときの余白をメジャーで測って記録する
ポイント3
個室・半個室
仕切りを腰までにするか、天井まで閉じるかを、台数と単価の両方で比べて決める 内装会社へ。「天井まで閉じた場合、空調・換気・火災感知器・誘導灯はそれぞれどう変わりますか。追加費用はいくらですか」
ポイント4
においと粉じん
発生源ごとに、局所で吸うか全体で入れ替えるかを分け、屋外への経路を確保する 内装会社へ。「集塵機の排気を屋外に出せますか。出せない場合、代わりにどこまで薄められますか」
ポイント5
照明
手元の明るさ、色の見え方、仰向けのお客様のまぶしさの3つを、器具の位置で成立させる 内装会社へ。「作業面の照度は何ルクスで設計していますか。器具の演色評価数はいくつですか」
ポイント6
給排水と電気
持ち込む機器を全部書き出し、同時に使う最大の組み合わせで必要量を計算する 内装会社と管理会社へ。「主幹はいくつまで上げられますか。給湯器はどこに置けますか」
ポイント7
待合・受付
施術中に別の方が来店したときの受け方と、お客様同士が顔を合わせない導線を決める 自分で。1日の予約表を見ながら、来店と退店が重なる時刻を数え、その回数を図面の上で再現する

ポイント1|業種で変わる法規と、保健所への事前相談

まつ毛エクステンションは、厚生労働省の通知により美容師法上の美容に当たります。美容所として届け出が要ります。

複数のメニューを扱うなら、いちばん厳しい要件に合わせて内装を作ります。あとからメニューを足すと、届出のやり直しになります。

複数メニューを扱う場合に、内装計画へ影響すること
扱うメニューの組み合わせ 内装計画に効いてくること 保健所への質問文
ネイル+まつげエクステ まつげエクステの区画に美容所としての要件がかかる可能性がある。器具の消毒場所と手洗い設備の位置が決まる 「ネイルとまつ毛エクステンションを同じ店舗で行います。美容所の開設届はどの範囲について必要ですか。区画を分ける必要はありますか」
エステ+まつげエクステ ベッドを共用できるかどうかで台数が変わる。共用できなければ専用ベッドの分だけ面積が増える 「同じベッドでフェイシャルとまつ毛エクステンションを行ってよいですか。分ける必要がある場合、何を分ければよいですか」
エステ+脱毛 使用する機器によって求められる説明と記録が変わり、カウンセリングの場所と書類の保管場所が要る 「この機種を用いた施術を行います。届出や記録の保存について、この施設で必要になることはありますか」
サロン+物販 販売する商品の区分によって、陳列できる場所や保管方法が変わる場合がある 「化粧品を販売します。施術スペースと売り場を分ける必要はありますか。保管場所の要件はありますか」
サロン+飲食の提供 お茶やお菓子の提供の範囲によって別の許可が関わる場合がある。給湯とシンクの位置が変わる 「お客様にお茶をお出しします。提供の範囲によって必要になる手続きはありますか」
保健所への事前相談で用意するもの
  1. 扱う予定のメニューを一覧にする(施術内容・使用する薬剤・機器まで書く)
  2. 候補物件の住所を持って、所轄の保健所に事前相談する
  3. 届出の要否と、施設に必要な設備の要件を確認し、日付と担当者名を控える
  4. その要件を内装会社に渡し、平面図に反映してもらう
  5. 図面ができた段階で、もう一度保健所に図面を持って確認する
  6. 着工前に、工事完了日・検査希望日・開店予定日を1枚の工程表にまとめる
  7. 工事完了後に検査を受け、確認を得てから使用を開始する

ポイント2〜3|施術1台の面積と、個室の作り方

什器の寸法に、回り込む余白を足します。施術の種類ごとに必要な余白が違います。

施術スペース以外にも面積が要ります。待合、着替え、パウダー、材料の保管、受付。内見時に測る場所を表にしました。

仕切りの高さは、得るものと失うものの取引です。天井まで閉じると、空調と換気と消防の条件が変わります。

施術の種類ごとの什器寸法と、必要な余白の考え方
施術の種類 一般に流通している製品の寸法の例と、必要な余白 自分の店で確かめる方法
エステ(ベッド) ベッドは幅60〜70cm、長さ180〜190cm程度のものが流通している。施術者が横に立って回り込むには片側60cm前後、足元にワゴンを置くならさらに50cm前後 いま使っているベッドの脇に立ち、腰をひねらずに両手が使える位置まで下がって、ベッドの端から自分のかかとまでを測る
まつげエクステ(ベッド) ベッドの寸法はエステと同程度。施術者は頭側に座るため、頭の先に100cm前後の作業スペースが要る。左右は50cm前後でも成立する場合がある 施術用スツールに座った状態で、ベッドの頭側の端から自分の背中までを測る。器具を置くワゴンの分も足す
ネイル(テーブル) テーブルは幅90〜120cm、奥行40〜60cm程度が流通している。対面で座るため、テーブルの前後にそれぞれ80cm前後の椅子と立ち座りのスペースが要る いまの席で施術者とお客様が座った状態を再現し、椅子を引いて立ち上がれる位置まで測る。隣席との間の距離も測る
フットケア フットバスやフットレストの分だけ、足元に追加の奥行が要る。施術者は正面または斜め前に座る フットバスを置いた状態で、施術者が座る位置からお客様の足先までの距離を測る
共通(通路) 人が正面ですれ違うには一定の幅が要る。片側通行でよい区間と、すれ違いが起きる区間を分けて考える 自宅サロンでの1日の動きを思い出し、スタッフとお客様がすれ違う場面が1日何回あるかを数える
施術スペース以外に必ず要る面積と、内見時に測る場所
用途 面積の目安と、削れない理由 内見時にメジャーで測る場所
受付・待合 1.5〜2.0坪。予約が重なる時間帯に、次の方が立って待つことになると外から見た印象が落ちる 入口の扉から最初の壁までの距離。扉が内開きなら、開いたときに人が立てる余地が残るか
通路 1.2〜1.5坪。施術中のブースの脇を通ることになるので、幅が狭いと施術者の背中に当たる 柱と柱の間の内寸。図面の数値ではなく、実際の壁面から壁面までを測る
器具の洗浄・消毒 0.6〜0.9坪。シンクと消毒の器材、洗浄済みと未洗浄を分けて置く場所が要る 既存の給排水の位置。床から立ち上がっている配管の位置を写真に撮る
タオルの洗濯・乾燥 0.5〜0.9坪。洗濯乾燥機の設置には給水・排水・専用回路の3つが同じ場所に要る 置きたい場所に、水栓と排水口とコンセントが揃っているか。なければ引ける距離を測る
在庫・材料の保管 0.5〜0.8坪。ジェルや薬剤は温度の影響を受けるため、直射日光と熱源から離した場所が要る いま自宅で材料が占めている面積を先に測っておき、その1.5倍が取れる壁面を探す
スタッフの更衣・休憩 0.5坪前後。人を雇う予定があるなら、着替える場所を最初から見込んでおく バックヤードとして使える死角があるか。窓のない隅や、柱の裏側を確認する
仕切りの高さごとに、得られるものと失うもの
仕切りの作り 得られるものと、失うもの 決める前に自分で確かめること
カーテン・可動パーティション 視線は切れるが、音とにおいは通る。工事が要らず、後から配置を変えられる 自宅サロンでカーテンだけの状態を再現し、隣の会話がどこまで聞こえるかを実際に試す
腰高〜胸高の壁 座った姿勢では視線が切れる。立ち上がると見える。空調は1系統のままでよい 施術中にお客様が起き上がる場面があるかを数える。ある場合、その瞬間に何が見えるかを確認する
天井まで立てて上部にすき間 視線は完全に切れる。音はかなり減るが、上部から漏れる。空気は行き来するので空調を分けなくてよい場合がある 内装会社に「すき間を何センチ残す設計ですか。その場合、隣の会話はどこまで聞こえますか」と聞く
天井まで完全に閉じる 音・視線・においが遮れる。空調の吹き出しと吸い込み、換気、火災感知器、誘導灯を部屋ごとに検討する必要が出る 内装会社に「閉じた場合の追加工事を項目ごとに出してください」と依頼し、金額を見てから決める
既存の個室を使う(居抜き) 工事費が抑えられるが、部屋の寸法が自分の什器に合わないことがある 自分のベッドの寸法と余白を書いた紙を持って内見し、部屋の内寸をその場で測って比べる
天井まで閉じた個室を作るときに、設備で確認すること
設備 閉じると何が起きるか 内装会社への質問文
空調 既存の吹き出し口が部屋の外になると、その部屋だけ冷暖房が効かない。夏は個室だけ暑くなる 「各個室に吹き出し口と吸い込み口はありますか。既存機の能力で足りますか。足りない場合、追加の機器と工事はいくらですか」
換気 空気の入口と出口が両方なくなると、においがこもる。排気だけ付けても、給気がないと風量が出ない 「各個室に給気と排気の両方を取りますか。給気はどこから入れますか。ドアのアンダーカットで足りますか」
火災感知器 区画が増えると、部屋ごとに感知器が必要になる場合がある。既存の位置では区画外になる 「間仕切りを立てた場合、感知器の追加や移設は必要ですか。所轄消防署への確認はどちらが行いますか」
スプリンクラー 設置義務のある建物では、区画に応じてヘッドの配置を見直す必要が出る場合がある 「この建物にスプリンクラーはありますか。ある場合、区画変更でヘッドの移設は必要になりますか」
誘導灯・避難経路 個室から出口までの経路が見えにくくなる。扉の開き方向によっては避難の妨げになる 「誘導灯の増設は必要ですか。個室の扉は内開きと外開きのどちらにすべきですか」
内装制限 建物の用途や規模によっては、壁や天井の仕上げ材に制限がかかる場合がある 「この物件に内装制限はかかりますか。かかる場合、使える仕上げ材の範囲を教えてください」

ポイント4〜5|においと粉じん、そして照明

においと粉じんは発生源ごとに対策が違います。ネイルのダストは局所で吸う、薬剤のにおいは換気で出す。全体換気だけでは解決しません。

照明は場所ごとに必要な性質が違います。施術面は演色性、待合は色温度。同じ器具でそろえると、どちらかが犠牲になります。

発生源ごとの対策の分け方と、内装会社への依頼
発生源 対策の考え方 内装会社への質問文・依頼文
ジェルのダスト(固体) 席ごとの集塵で発生源から吸う。吸った空気をどこに出すかが問題になる 「各席に集塵機を置きます。排気を屋外に出す経路は取れますか。取れない場合、どの位置に置けば店内での再拡散が少なくなりますか」
アセトン・リムーバー(揮発) 使用する場所を決めて、その付近で局所的に排気する。ふたを開けている時間を短くする運用も合わせる 「オフの作業を行う席をここに固定します。この位置の上部から排気を取れますか。ダクトを通せる天井裏の高さはありますか」
グルー(施術中ずっと揮発) 施術者とお客様の顔の近くで発生する。風を直接当てると施術に支障が出るため、部屋全体をゆっくり入れ替える 「この部屋の換気回数はどのくらいですか。給気の位置を、お客様の顔に風が当たらない位置にしてください」
パラフィン・スチーマー(湿気) 湿気は結露とカビの原因になる。温度と湿度の両方を扱える空調と、排湿の経路が要る 「スチーマーを使います。湿気がこもらないよう、この部屋の排気はどう取りますか。壁の中の結露対策は必要ですか」
タオルの洗濯乾燥(熱と湿気) 乾燥機は熱と湿気を出す。バックヤードにこもると、店内に回り込む 「洗濯乾燥機をここに置きます。排湿はどこに出しますか。ドラム式で室内に出るタイプの場合、どう処理しますか」
全体の空気の入れ替え 排気だけを増やしても、入ってくる空気がなければ風量は出ない。給気と排気を対で考える 「この店の給気はどこから入りますか。排気だけでなく給気も設計に入っていますか」
材料の保管場所を決めるときの条件
条件 なぜ必要か 図面で確認する方法
直射日光が当たらない 光で変質する材料がある。窓際の棚は日中の温度も上がる 窓の位置と、時間帯ごとの日射の入り方を内見時に確認する。南面と西面の壁を避ける
熱源から離れている 給湯器、乾燥機、スチーマーの近くは温度が上がる 設備の配置図の上に、材料棚の位置を書き込み、距離を測る
空調の効く範囲にある バックヤードが空調の外だと、夏に室温が上がる 空調の吹き出し口の位置を図面で確認し、棚がその範囲に入っているかを見る
施術動線から近い 遠いと施術中に取りに行くことになり、時間を食う 施術位置から棚までの歩数を図面上で数える。5歩以内を目安にする
在庫量が見える 扉付きの収納にすると、残量が分からず発注が遅れる 棚をオープンにするか扉付きにするかを、お客様から見える位置かどうかで決める
増えても入る メニューが増えれば材料も増える。開業時の量で作ると1年で足りなくなる いまの材料の占有面積を測り、その1.5倍の寸法で棚を発注する
場所ごとに必要な光の性質と、内装会社への確認
場所 必要な光の性質 内装会社への質問文
ネイルの手元 影が出ない明るさと、色が正しく見えること。器具そのものが視界に入らない位置 「テーブル面の照度は何ルクスですか。施術者の頭で影ができない位置に器具を置けますか」
まつげエクステの手元 施術者が前かがみになるため、天井の光が届かない。手元灯で補う前提の設計 「施術者の手元に届く照度で設計されていますか。手元灯を追加する場合の電源はどこにありますか」
エステの施術中 仰向けのお客様の視界に器具が入らないこと。天井の直下に器具を置かない配置 「ベッドに寝た状態で天井を見上げたとき、視界に器具が入らない配置になっていますか」
仕上がりの確認 色が正しく見えること。演色評価数の高い器具を、確認する位置に集める 「仕上がりを確認する位置に使う器具の演色評価数はいくつですか」
撮影する場所 正面から光が当たり、影が出にくいこと。背景の色が写り込まないこと 「撮影用の位置を1か所作りたいので、正面からの光を足せますか。背景の壁の色は何にすべきですか」
受付・待合 施術スペースより落として、切り替わりを感じさせる。手元で書類が読める明るさは確保 「待合と施術スペースで明るさの差をつけられますか。受付で書類が読める照度はありますか」

ポイント6〜7|給排水・電気と、受付まわり

機器ごとに必要な電源と給排水が違います。あとから追加すると、床か壁を開けることになります。

受付は、施術中のお客様と次のお客様が鉢合わせない位置に置きます。個室のサロンほど、ここが効きます。

給排水と電気で、機器ごとに確認すること
機器・設備 確認する数値と、どこに書いてあるか 内見・打ち合わせで自分で確認する方法
給湯器 号数と設置場所。本体の型番から仕様を調べる。一般に号数は、水温より25℃高いお湯を1分間に何リットル出せるかを表す単位とされている 既存の給湯器の型番を写真に撮る。屋外に設置スペースがあるか、なければ屋内型を置ける場所があるかを見る
シンク・洗場 給水管と排水管の位置。排水は勾配が必要なので、床の高さも確認する 床から立ち上がっている配管の位置を写真に撮り、置きたい位置までの距離を測る
洗濯乾燥機 定格消費電力、給水栓の口径、排水の位置、アース付きコンセントの有無 置きたい場所に給水・排水・専用回路の3つが揃うか。揃わない場合、引いてくる距離を測る
スチーマー・美容機器 定格消費電力と電圧。100Vか200Vかで工事の内容が変わる 機器の銘板を写真に撮り、W数とV数を一覧にする。同時に使う組み合わせを決めて合計する
ホットキャビ・タオルウォーマー 定格消費電力。常時通電するため、合計に必ず含める 営業中ずっと通電する機器を別枠で数え、その合計を先に出しておく
分電盤 主幹のアンペア数と、空いている回路の数。増設できる上限は建物によって決まる 分電盤の扉を開けて写真を撮る。管理会社に「主幹はいくつまで上げられますか」と聞く
受付まわりで起きる場面と、レイアウトでの対策
場面 対策の方向 自分の店で確かめる方法
施術中に次の方が来店する 入口から見える位置に座れる場所を作り、施術者が声だけかけられる配置にする いまの予約表を1か月分見て、来店が施術時間に重なった回数を数える。多ければ待合を優先する
終わった方と、これから始まる方が交差する 出口までの経路と、待合から施術スペースへの経路を分ける。分けられないなら時間差をつける 図面に2本の線を引き、交差する点があるかを見る。交差する場合、その位置で立ち止まる必要があるかを確認する
カウンセリングで個人的な話をする 待合とは別に、声が届かない場所を用意する。施術用の個室を兼用してもよい 待合に座った状態で、カウンセリング位置の会話が聞こえるかを、実際に人を座らせて試す
会計と次回予約を取る 立ったまま数分かかるため、荷物を置ける台と、端末を置く奥行が要る いま使っている決済端末とタブレットを並べて、必要な奥行を実測する
物販を見てもらう 施術後に通る位置に置く。待合に置くと、待っている間に見るだけで終わる 施術を終えてから出口まで歩く経路を図面でたどり、その途中に商品が目に入る位置があるかを見る
書類を保管する 契約書面やカルテを施錠して保管する場所を、受付の手が届く範囲に作る いま保管している書類の量を測り、1年後の増分を見込んだ収納寸法を出す

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よくある質問

サロンの内装で繰り返し聞かれる4つの質問をまとめました。 いずれも、内装会社に聞いても答えが返ってこないか、 立場によって答えが違ってしまう種類の論点です。 届出が要るのかどうか、個室にすると本当に儲かるのか、 賃貸で工事ができるのか、いまの設備を持っていけるのか。

この4つに自分なりの答えを持っておくと、相談の場で判断を人に預けずに済みます。 逆にここを空欄のまま相談に行くと、相手の説明をそのまま受け入れることになりがちです。

ネイルサロンやエステサロンを開くのに、保健所への届出は必要ですか?

まつ毛エクステンションについては、厚生労働省が平成20年3月7日付の通知で 「美容師法に基づく美容に該当する」と明示しています。

美容師法の概要でも、美容師は美容所で美容を行わなければならず、 美容所を開設するときは都道府県知事などへの届出が必要で、 さらに使用前の検査確認を受けなければ使用してはならないとされています。 つまりまつげエクステを扱うなら、内装が完成した状態で検査を受ける前提で工程を組む必要があります。

一方でネイルやエステについては、美容所の開設届の対象として一律に位置づけた国の通知を、 この記事の作成時点では確認できませんでした。

取り扱う技術の内容や自治体の運用によって判断が分かれるため、 物件を契約する前に、扱う予定のメニューをすべて書き出したうえで所轄の保健所に事前相談し、 最終的な可否と必要な設備をそこで確定させてください。

全室を個室にすると、売上は上がりますか?

個室にすれば単価を上げやすくなる一方で、同じ面積に置ける台数は確実に減ります。 仮の計算として、施術1枠を2時間、営業9時間で1台あたり1日4枠、稼働率60%、 客単価12,000円、月25日営業と置くと、 ベッド1台が生む売上の上限は月72万円、年864万円になります。

内装費300万円は、この1台分の売上上限の4か月から5か月分に相当します。 つまり内装費そのものより、台数が1台減ることのほうが金額としては大きく効きます。

個室化を検討するときは、単価をいくら上げれば減った台数を埋められるかを先に計算し、 その単価で予約が埋まる見込みがあるかを、いまのお客様の予約実績で確かめてから決めてください。

賃貸物件で、個室の間仕切りや排気ダクトは付けられますか?

付けられるかどうかは、建物の設備の作りとオーナーや管理会社の許可の両方で決まります。 天井まで閉じた間仕切りを立てると、空調の吹き出し口と吸い込み口が部屋ごとに必要になり、 火災感知器や誘導灯、スプリンクラーの配置も区画に合わせて見直しが必要になる場合があります。

排気については、外壁や既存の排気シャフトまで経路を取れるかどうかが決め手で、 ダクトを通せる天井裏の高さと、屋外に出せる位置があるかを図面で確認します。 内見の段階で、天井を一部開けて中を見せてもらえるか、既存の排気ダクトの位置はどこか、 区画変更にオーナーの承諾が要るかの3つを、その場で聞いてください。

契約後に「できない」と分かると、間取りを組み直すか物件を諦めるかの二択になります。

自宅サロンで使っていた設備を、そのまま店舗に持っていけますか?

ベッドやワゴンのような什器は持っていけますが、電気と給排水を使う機器はそのままでは動かないことがあります。 自宅では分散していた機器を1か所にまとめると、 同時に使ったときの合計電流が契約容量を超えることがあるためです。

給湯についても、家庭では同時使用が1か所だけだったものが、 店舗ではタオル洗浄と手洗いと洗顔が重なるため、必要な能力が変わります。 持ち込む予定の機器をすべて書き出し、銘板に書かれた定格消費電力と電圧を控えて、 その一覧を内見時と内装会社との打ち合わせに持っていってください。

一覧があれば、物件の容量で足りるか、増設が必要かをその場で判断してもらえます。

まとめ|サロンの内装で決める7つのポイント

個室にするかどうかは、好みではなく金額で比べられます。台数が減る分の売上と、単価が上がる分を並べてください。

内見では、ベッドを置く位置に実際に立ってみてください。回り込めるかどうかは、その場でしか分かりません。

個室化の判断を、金額で比べる
判断 得るものと失うもの(仮の計算) 自分の店で確かめる方法
全室を個室にする 単価を上げやすい。台数は減る。設備の追加工事も発生する いまのお客様のうち、値上げしても来てくださる方の割合を、過去の値上げ時の離脱率から推定する
半個室にする 台数を保ったまま視線を切れる。音は漏れる。工事は軽い いまの店で、音が原因で会話が止まった場面が月に何回あったかを思い出して数える
1室だけ個室にする 個室希望の方だけ受けられる。予約の管理が複雑になる 個室希望と言われた回数を予約履歴から数え、月の予約数に対する割合を出す
オープンのままにする 台数を最大化できる。単価は上げにくい。回転で稼ぐ形になる 回転を上げたときに施術の質が落ちないか、1日の最大施術数を実際に試して確かめる
将来の個室化を見込む 開店時はオープンで、後から壁を立てられるよう下地と配線だけ残す 内装会社に「後から間仕切りを立てる前提で、下地と空調の分岐だけ残せますか」と聞く

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