整骨院・接骨院を開業するときは、柔道整復師法に基づく施術所の届出が必要です。 届出の前提になるのが、施術室と待合室の面積基準で、これを満たさないと そもそも開設届が受理されません。

国の基準(柔道整復師法施行規則)では、施術室は6.6平方メートル以上、待合室は 3.3平方メートル以上とされています。ただし換気や消毒設備の細部は、保健所ごとに 運用が異なる場合があります。

内装の図面を確定する前に、面積基準と保健所への事前確認をどう進めるか、決めておく ことは6つあります。

この記事でわかること

  • 開設後10日以内の届出に、内装工程をどう合わせるか
  • 施術室6.6平方メートル・待合室3.3平方メートルという下限の考え方
  • 施術室と待合室を固定的な壁で区分するかどうか
  • 換気基準(室面積の7分の1の開口、または換気設備)
  • 消毒設備をどこに配置するか
  • 複数資格を併設する場合の面積の考え方

整体・リラクゼーションなど国家資格を要しない業態は 整体・リラクゼーション・鍼灸院の内装で決めること で扱っています。この記事は柔道整復師法に基づく施術所に絞ります。

柔道整復師の施術所に必要な面積基準を示した図。施術室は6.6平方メートル以上、待合室は3.3平方メートル以上という2つの最低面積を比較している。
施術室6.6㎡・待合室3.3㎡は、どちらも「以上」の下限値です|ベッド数を増やすほど、この下限だけでは手狭になりやすいため、台数から逆算して面積を決めます。

決め1|開設後10日以内の届出に、内装の完成タイミングを合わせる

柔道整復師法では、施術所を開設した者は、開設後10日以内に開設の場所や業務に従事する 柔道整復師の氏名などを、施術所の所在地の都道府県知事に届け出なければならないと 定められています(柔道整復師法第19条)。

届出には施術所の構造設備が基準に適合していることが前提になります。内装が 完成してから届出の準備を始めると、開業日が想定より遅れます。設計段階から、 届出に必要な図面・書類を意識して進めてください。

構造設備の基準そのものは、柔道整復師法第20条に基づき厚生労働省令(同法施行規則)で 定められています。次の決め2以降で扱う面積・換気・消毒の基準がこれにあたります。

決め2|施術室6.6平方メートル、待合室3.3平方メートルという下限から逆算する

柔道整復師法施行規則では、施術所に専用の施術室(6.6平方メートル以上)と待合室 (3.3平方メートル以上)を有することが求められています。これはあくまで下限で、 ベッド数が増えるほど実際に必要な面積は広がります。

物件を選ぶ段階で、想定するベッド数と、それに見合う施術室・待合室の面積が確保できる かを確認してください。下限ぎりぎりの面積で契約すると、複数ベッドを置いたときに 動線が窮屈になります。

柔道整復師の施術所に必要な面積(柔道整復師法施行規則)
部屋面積の下限確認すること
施術室6.6平方メートル以上ベッド数から実際に必要な面積を逆算する
待合室3.3平方メートル以上順番待ちの人数を想定して確保する

面積基準の具体的な運用(測り方・付帯設備の扱い)は保健所によって異なる場合があります。図面を確定する前に、開設地を所管する保健所に確認してください。

決め3|施術室と待合室を、固定的な壁で区分するか

施術室と待合室の区分について、保健所によっては固定的な壁を求める運用と、間仕切りや 固定された扉での区分を認める運用があります。この違いはレイアウトの自由度に 直結します。

オープンな見通しの良い空間にしたい場合でも、区分の方法によっては認められないことが あります。デザインの方向性を決める前に、保健所への事前相談を挟んでください。

決め4|換気は「室面積の7分の1」の開口か、換気設備か

施術室の換気は、室面積のおおむね7分の1以上に相当する部分を外気に開放できるように するか、これに代わる換気装置を設けることが求められます。窓のない区画に施術室を 配置する場合は、換気設備の能力を確認してください。

換気扇を後から追加すると、天井や壁の仕上げをやり直す工事になります。 レイアウトを決める段階で、機械換気に頼るか、開口で確保するかを決めてください。

決め5|消毒設備と手指消毒の動線を、受付の近くに置く

施術に用いる器具や手指の消毒設備の設置が求められています。動線としては、受付から 施術室に入る手前に手指消毒の設備を置くと、衛生管理の説明もしやすくなります。

器具の消毒は、患者の目に触れる場所と、バックヤードのどちらで行うかで、給排水の 配管ルートが変わります。開業後の運用イメージを、内装会社と共有してください。

施術所の構造設備で確認すること
項目基準の考え方確認すること
区分の方法固定壁か、間仕切り・固定扉か所管の保健所の運用を事前に確認する
換気室面積の7分の1以上の開口、または換気装置窓のない区画は換気設備の能力を確認する
消毒設備器具・手指の消毒設備の設置受付からの動線に手指消毒を組み込む

決め6|鍼灸・マッサージなど複数資格を併設する場合の面積の考え方

柔道整復師と、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の資格を併せ持ち、同じ場所で 複数の施術を行う施術所も少なくありません。この場合も、それぞれの施術に対応した 構造設備基準を満たす必要があります。

資格ごとに別々の施術室を求められるとは限りませんが、運用は保健所によって 異なります。併設を予定している場合は、内装の計画段階で、どの資格の施術所として 届け出るかを整理し、保健所に確認してください。

整骨院・接骨院の内装で内装会社に伝えること
  • 想定するベッド数と、施術室・待合室の面積配分
  • 施術室と待合室の区分方法(固定壁/間仕切り)
  • 換気を開口で取るか、換気設備で取るか
  • 消毒設備の設置場所と給排水の配管ルート
  • 併設する資格(鍼灸・マッサージ等)の有無
  • 開設届出に必要な図面・書類のスケジュール

よくある質問

施術室と待合室は、それぞれ何平方メートル必要ですか?

柔道整復師法施行規則に基づき、施術室は6.6平方メートル以上、待合室は3.3平方メートル以上とされています。これは下限のため、ベッド数が増えるほど実際に必要な面積は広がります。

開設届出は、いつまでに出す必要がありますか?

柔道整復師法第19条に基づき、開設後10日以内に、施術所の所在地の都道府県知事に届け出る必要があります。届出には構造設備が基準に適合していることが前提になります。

施術室と待合室は、必ず固定の壁で区切る必要がありますか?

固定的な壁を求める運用と、間仕切りや固定された扉での区分を認める運用があり、保健所によって異なります。デザインを決める前に、開設地を所管する保健所に確認してください。

換気はどのような基準を満たせばよいですか?

室面積のおおむね7分の1以上に相当する部分を外気に開放するか、これに代わる換気装置を設けることが求められます。窓のない区画では換気設備の能力を確認してください。

鍼灸院と併設する場合、施術室は別々に必要ですか?

資格ごとに別々の施術室を一律に求められるとは限りませんが、運用は保健所によって異なります。併設を予定している場合は、内装の計画段階で保健所に確認してください。

まとめ|面積基準が、レイアウトの下限を決める

整骨院・接骨院の内装|6つの確認のまとめ
決めること基準・根拠確認すること
決め1 開設届出開設後10日以内(柔道整復師法第19条)内装工程と届出スケジュールを合わせる
決め2 面積基準施術室6.6㎡以上・待合室3.3㎡以上ベッド数から実際に必要な面積を逆算する
決め3 区分方法固定壁か間仕切りか(保健所の運用による)着工前に保健所へ確認する
決め4 換気室面積の7分の1以上の開口、または換気装置窓のない区画は換気設備の能力を確認する
決め5 消毒設備器具・手指の消毒設備の設置受付からの動線に組み込む
決め6 複数資格の併設資格ごとの構造設備基準届出区分を整理し保健所に確認する

整骨院・接骨院の内装は、意匠より先に施術室6.6平方メートル・待合室3.3平方メートル という下限が骨格を決めます。この記事の決め2を先に固めてから、内装会社への相談を 始めてください。

構造設備基準の具体的な運用は保健所ごとに異なる場合があります。着工前に、開設地を 所管する保健所への事前相談を必ず行ってください。

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