チラシは刷ってから配り方を考えると、配れない場所が出てきます。先に決めるのは どこに配るかです。

集合住宅の郵便受け、戸建ての郵便受け、路上での手渡し。この3つは確認する相手が それぞれ違います。管理組合なのか、掲示された表示なのか、警察署なのか。

さらに、配ったあとに効果が分かる仕掛けは、印刷の前にしか入れられません。 刷る前に確認することは6つあります。

この記事でわかること

  • 配る場所ごとに、確認する相手が変わること
  • 郵便受けの「投函お断り」の表示をどう扱うか
  • 路上での手渡しに要る道路使用許可の確認先
  • 他人の壁や柱に貼ってはいけない理由
  • 配った効果を数えられるようにする仕掛けの入れ方
  • 紙面で最初に読ませる3つの情報

開業直後の集客全般は開業直後の店舗集客でやること、 看板と屋外広告物の扱いは店舗の看板・外装で確認する7つのことで 扱っています。この記事は紙のチラシに絞ります。

チラシを配る場所ごとの確認事項を並べた図。集合住宅の郵便受けは管理規約と投函お断りの表示、戸建ては表示の有無、路上での手渡しは道路使用許可、他人の壁や柱には貼らない、という4つの分かれ方を、関係する条文とあわせて示している。
「投函お断り」の表示がある郵便受けには入れません|路上で手渡しをするなら、道路使用許可の要否を所轄の警察署に確認します。

確認1|配る場所ごとに、確認する相手が変わる

チラシを配る方法は、郵便受けへの投函と、路上での手渡しに大きく分かれます。 投函はさらに、集合住宅と戸建てで確認する相手が変わります。

まず配る範囲を地図の上で決めて、それぞれどの相手に確認するかを書き出して ください。業者に委託する場合も、この確認は依頼する側の判断になります。

配る場所ごとの確認事項
配る場所確認すること関係する条文
集合住宅の郵便受け管理規約と、掲示された投函お断りの表示刑法第130条/軽犯罪法第1条第32号
戸建ての郵便受け郵便受けや門の表示の有無軽犯罪法第1条第32号
路上での手渡し警察署長の道路使用許可の要否道路交通法第77条第1項第4号
他人の壁・柱・電柱貼らない軽犯罪法第1条第33号/屋外広告物条例

条文はe-Gov法令検索の本文で確認しました。実際にどの行為が問題になるかは状況によって判断が分かれます。判断に迷う場合は、配る前に管理会社・所轄の警察署・自治体の担当窓口に確認してください。

確認2|「投函お断り」の表示と、管理規約

郵便受けや扉に「チラシ投函お断り」と書かれている場合、そこには入れません。 集合住宅では、建物全体の掲示や管理規約でまとめて断られていることがあります。

オートロックの内側は、建物の管理者の許可がなければ立ち入る場所ではありません。 正当な理由なく人の住居等に侵入する行為は刑法第130条に定めがあり、入ることを禁じた 場所への立入りは軽犯罪法第1条第32号にも定めがあります。

委託する業者には、断りの表示があった場合の扱いを契約書に書いてもらってください。 配布報告のなかで、投函しなかった件数を報告してもらう形にすると確認できます。

確認3|路上で手渡しをするなら、道路使用許可

道路上で行う行為のうち、一般交通に著しい影響を及ぼすものとして公安委員会が定めたものは、 警察署長の許可が要ります(道路交通法第77条第1項第4号)。

どの行為が対象になるかは、都道府県の公安委員会が定めます。そのため 「チラシの手渡しは許可が要るか」は地域と場所によって答えが変わります。実施する前に 所轄の警察署に確認してください。

自店の敷地内や、店の入口の前で渡す場合は道路ではありません。まず敷地の境界がどこかを 図面で確かめると、確認が要る範囲がはっきりします。

確認4|貼ってよい場所と、貼ってはいけない場所

他人の家屋や工作物にみだりにはり札をする行為は、軽犯罪法第1条第33号に定めがあります。 電柱や塀は、自分のものでない限り貼る場所ではありません。

屋外に出す掲示は、自治体の屋外広告物条例の対象になることもあります。 店の前に置く立看板も、条例の対象になる場合があります。詳しくは 店舗の看板・外装で確認する7つのことで扱っています。

確認5|効果を測る仕掛けは、刷る前に入れる

配ったあとに「何枚配って何人来たか」を知るには、チラシの側に目印が要ります。 目印がなければ、来店が増えても原因が分かりません。

配るエリアや時期ごとに、違う番号のクーポンを刷り分けてください。 回収したクーポンを数えるだけで、どのエリアが反応したかが分かります。

効果を測る仕掛けの入れ方
仕掛けやること分かること
クーポンの番号エリアや時期ごとに番号を変えて刷るどのエリア・時期が反応したか
回収の運用レジで回収し、番号ごとに分けて保管する1枚あたりの費用と来店数
読み取り符号行き先の頁をチラシ専用にする紙から見た人の数
来店時の質問「何で知りましたか」を聞いて記録するクーポンを使わなかった人の流入

配布枚数あたりの反応率について、業種を問わず使える公的な統計は見つかりませんでした。そのためこの記事では「反応率は何%」という数字を書きません。自店で回収したクーポンの枚数を、次回の判断に使ってください。

確認6|紙面で最初に読ませる3つ

郵便受けから取り出したチラシは、数秒で残すか捨てるかが決まります。その数秒で 伝わる必要があるのは、場所・何の店か・いつ行けるかの3つです。

店名を大きくしても、場所が分からなければ来店にはつながりません。 最寄りの目印からの道順と、営業時間と定休日を、表面の目立つ位置に置いてください。

表面に必ず入れる3つ
要素入れる内容確認すること
場所目印からの道順と、地図配るエリアの人が知っている目印を使う
何の店か業種と、扱うものが分かる一言店名だけになっていないか
いつ行けるか営業時間・定休日・開店日開業前なら、開店日を最も大きく置く
印刷を発注する前に確認すること
  1. 配るエリアを地図の上で決めた
  2. 集合住宅は、管理会社または掲示で投函の可否を確認した
  3. 路上で渡すなら、所轄の警察署に道路使用許可の要否を聞いた
  4. 貼る予定の場所は、自店の敷地内か確認した
  5. エリアや時期ごとに、クーポンの番号を分けた
  6. 表面に場所・業種・営業時間を入れた
  7. 委託業者と、投函できなかったときの扱いを決めた

よくある質問

ポスティング業者に頼めば、確認は任せられますか?

業者が配布のルールを持っていても、依頼する側の確認がなくなるわけではありません。投函お断りの表示があった場合の扱いと、報告の方法を契約書に書いてもらってください。

店の前でチラシを渡すのにも許可が要りますか?

自店の敷地内であれば道路ではありません。歩道にはみ出す場合は道路上の行為になるため、所轄の警察署に確認してください。まず敷地の境界を図面で確かめてください。

何枚配れば何人来ますか?

業種を問わず使える公的な統計は見つからなかったため、この記事では反応率の数字を書いていません。エリアごとに番号を分けたクーポンを回収して、自店の数字を作ってください。

チラシと地図検索は、どちらを先にやるべきですか?

順番はどちらでもかまいませんが、地図検索の情報が整っていないと、チラシを見た人が検索したときに迷います。店名・住所・営業時間の登録を先に済ませてください。

電柱にポスターを貼ってもよいですか?

他人の工作物へのはり札は軽犯罪法第1条第33号に定めがあり、屋外広告物条例の対象にもなります。電柱の管理者の許可なく貼る場所ではありません。

まとめ|刷る前に決めるのは、配る場所と測り方

刷る前に確認する6つのまとめ
確認すること確認する相手確認したあとにすること
確認1 配る場所地図と自店の商圏場所ごとに確認先を書き出す
確認2 投函お断り管理会社・掲示・郵便受けの表示表示のある場所を配布先から外す
確認3 道路使用許可所轄の警察署要否を聞き、要るなら申請する
確認4 貼る場所敷地の図面・自治体の担当窓口自店の敷地内かを確かめる
確認5 測り方自店のレジ運用エリアごとに番号を分けて刷る
確認6 紙面配るエリアの人の目線場所・業種・営業時間を表面に置く

6つのうち、印刷のあとでは直せないのが確認5の測り方です。番号を 分けずに刷ってしまうと、次にどこへ配るかを決める材料が残りません。

条文はe-Gov法令検索で確認しましたが、道路使用許可の対象や屋外広告物条例の内容は 地域によって異なります。実施の前に、所轄の警察署と自治体の窓口で確かめてください。

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